家族とは何か?真の家族の在り方とは?そんな疑問に一つの素晴らしい解答を与えてくれる。
上記の問いの解は人によって違うだろう。しかしこの作品が導き出す家族の姿には誰しも心打たれるに違いない。
高屋敷 司
長男。本作の主人公。過去の様々な辛い体験から人と深く関わることを止めてしまった青年。
しかし、心の奥底では人との繋がりを求めている。そこに在る筈の暖かい何かを信じ切れないまま・・・。
高屋敷 青葉(cv:北都南)
長女。鴉の王を従える高屋敷家の女王様。唯我独尊・傲岸不遜なその振る舞いに皆戦々恐々。
職業は呪いの絵描き。自分の本質に眼を瞑りたい人は彼女に似顔絵を依頼してはいけない。
因みに彼女の絵は呪いの絵なので燃やすことも破くこともできない。捨てても自動的に帰って来る。
思い出の家を維持する為に家族計画に参加する。
高屋敷 準(cv:杉沢淳子)
次女。司の淫行学生時代の知り合い。高屋敷家の経理担当の守銭奴。契約とブロック栄養食をこよなく愛する。
冷めた現実主義者を装っているが、感情が爆発すると錯乱して木に登る。
後述の春花と双璧を為すキャラ。司との過去の関係とか諸々の設定はモロ俺好み。メガネもモチロン俺好み。
借金の取立てのため司に協力した筈が、いつの間にか成り行きで高屋敷家に住み着くことに。
高屋敷 春花(cv:佐々留美子)
三女。ユーラシア大陸から母を訪ねて三千里。暢気で健気で不法滞在者な中国娘。
彼女を司が拾う事で運命の輪が回り始める。
保護欲を刺激しまくる彼女の魅力があってこそ家族計画は発動したと言っていいだろう。
マフィアと官憲から逃れるため高屋敷家に身を隠す。
高屋敷 末莉(cv:片瀬唯)
四女。高屋敷家のマスコット。どうも彼女を見てると、フルーツバスケットの透君を思い出してしまう。彼女より過酷な境遇だが・・・。
ダンボールハウスの建設には熟練の腕を持つホームレス少女。
雨露を凌げることに喜びを見出し、夕日を見て赤字を連想する。哀れな・・・。
朗らかで健気で良く気が付く勤労少女である彼女だが、そそっかしい為失敗が絶えない。
そして禁断の趣味の持ち主でもある。いずれは自分のや○い本を聖地で売るつもりなのだろうか・・・。
家族の愛と屋根のある生活を求めて家族計画に参加。
高屋敷 真純(cv:MIWAKO)
母親。他者依存型の優柔不断女。自殺しようとしていたところを司達に救われる。自殺志願者が助けを求めんなよ・・・。
生活能力は割りとあるが自立心は欠片も無いので搾取される日々。いつも財布と決断力を忘れて家を出る。
孤独からの脱出を図って司を頼り、高屋敷一家の母となる。
高屋敷 寛(cv:比留間狂ノ介)
父親。家族計画の発案者。多彩な特殊技能と高い戦闘能力を併せ持つ既知外ビジネスマン。
序盤の笑いの殆どは彼の逝かれた脳細胞から生まれたといっても過言ではない。
司をその奇怪な言動で翻弄するのがライフワーク。家長としての信頼度はゼロ。
流石にこの人の声は上手いなぁ。
久美 景(cv:杉沢淳子)
二十歳、独身の児童施設職員。司の元同級生。
準シナリオのキーパーソン。彼女のシナリオが用意されていなかったのは非常に残念。
彼女と新たな人生を共に歩むのもそれはそれで良いかも・・・。
劉 家輝(cv:十文字隼人)
歌舞伎町の華僑社会の実力者。両刀を巧みに操る、司のバイト先の中華飯店の店長代理。
声を充てているのは最近この業界に頻繁に出没するあの人。ギャラ良いのかねぇ・・・。
劉 楓(cv:鎌田千歳)
家輝の妹。司の婚約者を自認するチャイナドレス。
メガネだから贔屓する訳じゃないけど、真純シナリオ削ってもいいから彼女のシナリオ入れて欲しかった。
御大山田一氏のシナリオは抜群の出来。流石の一言。
赤の他人同士が相互扶助を目的とし擬似家族を形成する、「家族計画」。
本作のテーマは「家族としてのコミュニケーション」である。
「家族」に不信感を抱く者、忌避する者、無視する者、求めて止まない者。
そんな彼らの営みには、無数の衝突があり、和解があり、絶望があり、別れがある。そして最後に残る一握の希望。
最後までやりましょう。そして泣いて下さい。
キャラ別に見れば、青葉と準が素晴らしかった。至高のシナリオが用意されています。
青葉シナリオの終盤は本当に泣かされた・・・。
自分を誰かが暖かな眼差しで見守ってくれていた。その事を知ることができるのはなんて幸せなのだろう・・・。
青葉の性格もかなり可愛くなってくるので、今迄の暴言・罵詈雑言の類も最早気にならない。
準シナリオの真価はエピローグに在る。
人は努力しても殆ど報われないのかもしれない、或いは報われたことに気づかないかもしれない。
でもそれでもどこかで必ずそれは報われているんだ、そう信じさせてくれる。
彼女が過去のトラウマを乗り越えるシーンは涙無しには語れない。
異質なのは春花のシナリオで、全体のテーマからずれているように思う。
彼女のシナリオでは「異国の少女との国境を越えた恋」がメインに据えられているので、「家族」というものを余り感じない。
それと終盤の展開が盛り上がりに欠けるので、青葉・準のシナリオに見劣りする。
まあ春花の可愛さはそれを補って余りあるが。
後の二人は俺にとってはどうでもいいので割愛。
サウンドはI'veが手掛けているので良質。
ボーカル曲の「同じ空の下で」、「philosophy」は共に名曲。
このテーマでは他の追随を許さない最高傑作と言えるだろう。
難があるとすれば、共通ルートが長いことか。繰り返しプレイするとダレてくるかもしれない。
モルトケ著