Fate/stay night TYPE MOON

月姫を世に送り出した同人メーカーTYPE MOONのメジャー・デビュー作。
2004年最高の傑作になることが嘱望されていた一品。
さて、期待に沿う出来だったのか。

キャラクター

衛宮 士郎
本作の主人公。セイバーのマスター。この男のせいで序盤やる気が大いに削られた。
精神年齢が小学校高学年レベル。一応18歳以上がプレイするわけだからもうちょっと何とかならんものかね・・・。
やっててかなり苛々した。彼と全くシンクロできなかったのは非常な痛手。
そんな彼だが、「Unlimited Blade Works」では漢を魅せてくれる。

遠坂 凛
メインヒロイン。士郎の同級生にして仮面優等生。古から続く魔術師の家系に生まれたエリート。
アーチャーのマスターとして聖杯戦争に参加する。
ツインテールに良い印象が無かったので事前の評価は低かった(秋葉と被るし)。ところが・・・。

まさか己の未熟さを懺悔する羽目になるとは!!

蓋を開けてみれば、戦前の評価など何処に行ったか分からない程遠くまで吹き飛んでしまった。
もうむちゃくちゃカワイイ!!何なんですか貴女は。俺を吐血させるのがそんなに楽しいのですか?
その余りの可愛さにセイバールートをやってても彼女の事が頭から離れてくれない。
照れて紅くなってる立ち絵だけでもうタマランネホント。
非情に振舞おうとしてもつい生来の人の良さが顔を覗かせてしまう。
そんな彼女に甲斐甲斐しく面倒を見て貰いながら士郎君は聖杯戦争を戦っていくのです。羨ましい・・・。
オーバーニーソックスもポイント高し。

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
アインツベルン一族が送り込んできた刺客。バーサーカーを従える悪魔っ娘。
ロリな外見に油断すると即座に三途の川の船頭さんのお世話になれます。
より残酷な未来が待ち受けている場合も・・・。
彼女には愛想良くしておこう。

間桐 桜
士郎を起こしに来てくれたり、甲斐甲斐しく朝食の用意をしてくれたりもする後輩の弓道部員。
一見すると和み系キャラだが、その本性は蛇蝎の如き毒婦。
相当強いので早目に始末しよう。殺られる前に殺れ!!

間桐 慎二
桜の愚兄。コンプレックスに歯軋りするのが日課のやられキャラ。
凛に遣り込められて凹む姿で皆のストレスを発散させてくれる。
どうでもいいヤツだが、疑問が一つ。何故長男なのに「慎二」なのか?

藤村 大河
士郎君の姉代わりを自認する近所に生息している虎。
士郎の担任教師でもあり担当教科は英語。
急に増えた得体の知れない居候に眉を顰めたり、敵視したり、卓袱台引っ繰り返したりする過保護振りを発揮してくれる。
数少ない通常人だが、多分何しても死なないので普通ではないかも知れない。

柳洞 一成
士郎の友人にして生徒会長を務める寺の息子。
仇敵は遠坂凛。士郎と凛が親しくなるのを何とか防ごうとする。
多分士郎の事を・・・。サーヴァントとかよりもある意味怖い。
男がメガネでもねぇ・・・。

言峰 綺礼
マーボー好きの似非神父。聖杯戦争の監督役。
様々な呪いの言葉と忠告を与えてくれるが話半分に聴いておこう。

衛宮切嗣
士郎の義父。魔術師。
炎の中から士郎を救い出し養子とした。
故人なので過去が語られるのみだが、俺的には彼の方が主人公向きだと思う。

セイバー
士郎の盟友。サーヴァント中最高の戦闘能力を誇る剣聖。
頑固一徹の武人であるが故に、時折覗く可愛らしさは殺人級。
彼女と一緒じゃなければこんなバカげたイベント辞退してます。

アーチャー
凛のサーヴァント。この作品中最高に格好良い男、いや漢。
背中で己の信念を雄弁に語るという離れ業を苦も無くやってのける。
その正体を知って尚嫉妬する自分を止められない・・・。

ランサー
最速の逃げ足を持つ槍使い。
一対一では無類の強さを誇る男だがどうも影が薄い気が・・・。

バーサーカー
イリヤの大きなオトモダチ。
本来は理知的なのだろうが、バーサーカーとして召還されている為話し合いは一切通じない。
彼は意外に魅せ場多いです。
「城」での戦いを目撃すれば誰もが涙するに違いない・・・。

ライダー
間桐家に行くと会える綺麗なお姉さん。
凛を凌駕する可能性を持つ唯一無二の女性。
それ程の魅力があるにも関わらず彼女のシナリオは無い・・・。おいキノコ何やってんだよ!!
桜なんかどうでもいいから彼女との未来を創ってくれよ。
常に着用しているバイザーを外すと恐ろしい事に・・・。

キャスター
策を弄することに長けた狡猾な女郎蜘蛛。
単純な戦闘力に於いては最弱だが、単細胞生物であるところの士郎君と騎士道精神に溢れるセイバーにとっては厄介な相手。
素顔がフードに隠されているのが非常に惜しい・・・。

アサシン
手長猿。以上。

金髪馬鹿
自らがラスボスであるという哀れな妄想に囚われている裸の王様。
期待を裏切らぬ間抜けっぷりを披露してくれる。
こいつの正体判るのライターだけだろ・・・。



シナリオ

主人公衛宮士郎はサーヴァントであるセイバーを召還したことで聖杯を巡る血みどろの殺し合いの渦中に放り込まれる事になる。
半信半疑ながらも市井の人を護る為、そして己の信念を貫徹する為に剣をとる。

シナリオは「Fate」「Unlimited Blade Works」「Heavens Feel」の三章で構成される。
Fateはセイバーの物語。
主題は「魂の救済」。
聖杯を求め続けてきた彼女の苦悩と葛藤、そして呪縛からの解放が描かれる。
このシナリオの終焉は清廉にして静謐。
切なくも清々しい余韻を残してくれる。

Unlimited Blade Worksは士郎とアーチャー、そして凛のお話。
主題は「信念と絶望」
自らが信じてきたモノを完膚なきまで否定された時、それでも人は膝を折らずに尚も前進することができるのか?
其の答えを士郎君がボロボロになりながらも提示してくれます。
序盤の失地をかなり回復する活躍。やはり主人公なんだからこの位やってくれなくちゃね。
但し彼の信念そのものとは全く共感できないが・・・。

Heavens Feelは桜という希代の殺人鬼の真っ赤な絵日記。
これいらない・・・。

音楽

このゲームで最も批判されている箇所だろう。
確かに質は高くないが、それ程酷いわけでもない。
他が際立っているのでそう見えるだけだろう。
エンディングにボーカル曲が無いのはイタイかな。

総評

期待を裏切らぬ名作。ユーザーの大きな期待に見事応えてみせたスタッフの力量に脱帽。
シナリオは質・量共に最高水準にあると言っていいだろう。
システム周り等は月姫を圧倒的に凌駕している。声が無いのは残念だが、このシナリオ量では致し方ないだろう。
だが苦言が無いわけではない。
まずは主人公。前作より圧倒的に劣る点があるとしたらここだろう。
彼の余りの正義漢振りには絶えず閉口させられた。
ライターさんは敢えてそうしたのだろうが、度が過ぎているように思える。

次に戦闘描写。
これは個人的には大きなマイナスだった(序盤は)。
どうも「俺の描く戦闘って格好良いだろ?」っていうような自己陶酔が感じられて興醒めだった。
これのせいで一度プレイを中断してしまった。
しかしそう感じたのも序盤だけ。慣れてくると気にならなくなった。終盤の戦闘描写はホントカッコイイです。

最後にシナリオの冗長さ。
確かに面白いんだが余りに長過ぎる。
Heavens Feel」は完全に蛇足だった。
自分が考えた設定を世に出したいのは解るが、それで満足するのは自分だけでしょ。

最後に色々批判はしたが、傑作であるという評価は揺るがない。
月姫の後継というプレッシャーを物ともしないでこれだけのものを送り込むとは・・・。
やっぱキノコさんは凄いね。次回作も期待しております。

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モルトケ著