CLANNAD
はっきりいいましょう。
買ったときは明らかに失敗したと思いました。
いやそうではない、そうではなく気が付いたら買っていたんです…。
はじめは欠片も買う気すらなかったんです。本当です信じてください。
だって何年たってると思ってるんですか、いったい。
ところが…
カバーを破り捨て、中身を取り出し、インストールしたあたりからなにやら雲行きが怪しく…。
まずこの友人というか手下っぽいやつ(春原)が面白いのなんの。
気が付いたら彼のエンド(含む妹)まっしぐら。
Keyは健在なんだなぁと思わされてしまいました。
というわけで、気に入ったキャラオンリーのレビューです。
まずは本シナリオ、渚END+AFTERです。
このシナリオは途中まで100点街道まっしぐらでした。
100点を取れそうなときって問題解いている間に感じるんですよね、それと同じ感覚です。
ところが、今回返ってきた答案用紙は100点ではありませんでした。
なぜか。
最後にあんな無理やり奇跡を入れる必要などなかった。
そりゃKeyが奇跡にこだわるのは知っています。
しかし物事の根底から動かす、奇跡のような歪で巨大な力は代償なしでは得られない。
AIRはその点で不満はありませんでした。彼らが失ったものはあまりにも大きく、それでも別の、そう開放された未来をその奇跡によって得られたのです(←それは緋村独自の解釈だろbyモルトケ)。
振り返って今作。汐を奇跡によって救う。それは理解できる範囲だし許容できる範囲でもある。
がしかし、もう一度最初に戻り、そして渚を救う。これは許容できる範囲とは思えない。あまりにもご都合主義に過ぎる。そう思いませんか?
主人公が傷つき、一度は倒れ、それでも再び自らを取り戻し、失ってしまった娘との、いや奪ってしまった娘の時間をこの手に請け戻すべく立ち上がってくるのを見たとき、熱いモノがこみ上げてくるのをとどめることはできませんでした。
そうして再び回りだした主人公の時間は順調に流れていくのかと思いました。
しかし束の間の幸せの時が過ぎ、主人公を再び凍りつかせるような、むしろ彼の息の根を止めるような悲劇が襲います。
そのときにはもはや倒れこみながら、地面にひれ伏してひたすら汐の救いを願う私の姿がありました。これ以上自分から奪わないでくれ。もう耐えられない。これ以上奪われたら自分(※著者注:この時はもはや”主人公”などと客観視できていませんでした)は二度と立ち上がることができない。頼む奪わないでくれ。もはや私の魂は耐えられない。頼む奪ってゆかないでくれ。そう願い続けることしかできませんでした。
ここまで心を揺さぶられたゲームは初めてでした。
ここで本題に回帰しますが、このときにこそ奇跡が入るべきだったのです。
もしここで奇跡により汐が助かり(話の整合性はいくらでもつけられるはずですし)、完全なHappyとはいかないまでも、少しでも幸せなエンドで終わるならば、TrueENDとして100点で迎え入れたはずです。
もちろんそのまま奪われていく、そのエンドでも評価が大きく下がることはなかったと思います(点数で言えばここで終わってもAIRを超えていたはずです。96というのはこのシナリオを評価してそれに若干マイナスをつけました。)。
しかし最初に戻り、渚も生き返り汐も問題なし、みんなHappy!というエンドは、あの魂を揺さぶるようなシナリオを無に帰せしめてしまいました。まこと残念としか言いようがありません。最強になる可能性がありながら、このHappyエンドによってその可能性を放棄してしまいました。
この作品を一言で表現するならば「惜しかった」に尽きます。
もちろんやって損をするとは思えません。
むしろ積極的にお勧めします。
それでも本当に惜しかった。残念です。
あれ、上の方で「まず」とか書いてありますね。
でも疲れたので、これで終わりにします。
(モル: …たったエンドひとつだが?)
(緋村: 普段クールな俺が熱く書いたのだ、一つでもいいだろう?)
(モル: クールじゃなくてフールだろ、この文面見る限り。)
(緋村: ……。)